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Introduction イントロダクション

今、二人が生きていたら― どんな歌がうまれるだろう!?

稀代の詩人・北原白秋とエリート音楽家・山田耕筰の出会いが、100年歌い継がれる童謡を生んだ。

 自由奔放な天才詩人・北原白秋と、西洋音楽を日本に導入した秀才音楽家・山田耕筰。この二人の友情から日本の「歌」が生まれた。もし彼らが居なかったら、日本の音楽シーンは全く違っていたかもしれない。童謡誕生100年の今年、白秋の波乱に満ちた半生を、耕筰との友情とともに、笑いと涙で描き出す映画『この道』。今、日本歌謡誕生の瞬間に立ち会うことができる。
 日本の子供たちの心を表す新しい童話や童謡を作りだそうと、文学者・鈴木三重吉は「赤い鳥」を1918年に創刊した。童謡もこの児童文芸誌の誕生とともに生まれたことになる。白秋と耕筰もここを舞台に名曲「からたちの花」や「この道」などを発表した。それまで、日本の子どもたちの歌は、各地に伝承されてきた「わらべ歌」か、ドイツから入ったメロディーに日本語の歌詞を乗せた「ドイツ童謡」しかなかった。日本人による日本人のための新しい歌が、白秋・耕筰コンビらによって生まれたのだ。

初のW主演! 大森南朋×AKIRAバディー・ストーリーを熱く奏でる魂の競演!

 白秋を演じるのは、『ハゲタカ』(09年)や『アウトレイジ 最終章』(17年)など今や日本映画に欠かせない存在となっている大森南朋。女性にだらしなく、姦通罪で逮捕されるなどのスキャンダルにもまみれた白秋は、今の時代でいうラッパーにも通じる独特のリズムを持つ、誰にもまねの出来ない詩を書く天性の能力に恵まれていた。自意識も強く、子どものように自由な詩人を、大森がしなやかに演じている。
 日本初のオーケストラを作るなど西洋音楽の普及に貢献した耕筰役は、EXILEのパフォーマーとして活躍するAKIRA。俳優としても映画『草原の椅子』(13年)、『アンフェア the end』(15年)などに出演、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』(17年)でハリウッド・デビューも果たした。今回は、これまで経験のなかったバイオリンの演奏や指揮、歌にも挑戦。持ち前の身体能力の高さで難役をこなしている。
 このほか、鈴木三重吉役は柳沢慎吾、与謝野鉄幹、晶子夫妻は、松重豊と羽田美智子、白秋の最初の妻・俊子は松本若菜、三度目の妻・菊子は貫地谷しほりが演じる。童謡を歌う活動を続けている歌手の安田祥子、由紀さおり姉妹も、NHKラジオの第1回放送で「からたちの花」を歌う歌手役で特別出演している。また、主題歌「この道」をAKIRAと同じEXILEのメンバーのATSUSHIが歌っていることも注目される。
  監督は、『陽はまた昇る』(02年)、『半落ち』(04年)、『ツレがうつになりまして。』(11年)などを手掛けてきた、日本映画界の名匠・佐々部清。脚本は、『かぐや姫の物語』(13年)などの坂口理子が手掛けた。